ブログ

直交変調を用いたFM変調器

1.FM変調

FM変調を表す式は、(1)式で与えられる。FM変調器は、(1)式を電子回路で実現したものです。また(1)式を忠実に実現するほどFM変調器としての性能が良いことになります。

fm1‥‥‥(1)

ただし、はキャリア振幅、はキャリア周波数、は最大角周波数偏移、は変調信号です。

また、

fm2‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2)

とします。

変調信号b(t)は、周期的な場合が多いので、以下ではb(t)=sin(2πfmt)とおくと(1)式は、(3)式のようになります。(振幅は1としました。)

fm1fm3bfm3c

fm3d‥‥‥‥‥(3)

ここで、fmは、変調信号の周波数、Δfは最大周波数偏移、m=Δf/fmは変調指数。ただし、積分の初期定数は本質とは関係ないので無視しています。

(3)式の表現もよく見掛けますね。(3)式においてcosの代わりにsinを用いた式もありますが、単なる表現形式の違いに過ぎません。

2.直交変調を用いたFM変調器の実現

直交変調とは、同一周波数で位相が90°異なる2つのキャリア(sin波とcos波)をそれぞれ変調し、ベクトル合成(電気的には単なる加算)することにより実現する変調方法の事です。構成は図1に示すようになります。

直交変調は原理的にすべての変調を実現できるすぐれた方式で、特にデジタル変調ではほとんどこの方法で実現されています。

block1

図1.直交変調器の構成

FM変調器を実現するために、まず(1)式を展開します。これを(4)式で表します。

fm4‥‥(4)

(4)式をブロック図で表すと図2のようになります。

block2

図2.直交変調器で構成したFM変調器

図2において、信号処理をデジタルで行う場合は、A/D、D/A等が必要ですが、本質なものではないので略しました。