パスコンについて気になっていること

2015.10.5

一般的に”パスコン”と呼ばれている部品についての話です。バイパスコンデンサとかデカップリングコンデンサとも表現されますが、着目点の違いということで、私は特に区別していません。

さて、パスコンは、大容量ではあるが高周波のインピーダンスが大きい電解コンデンサと容量は小さいが高周波のインピーダンスが小さいセラミックコンデンサを並列に配置して使用するのが良いと、以前の私は理解していました。

下図のようなイメージで、低いインピーダンスの領域が広くなるので良いということです。(実際に、下図のような特性になるかは別途検討が必要だと思いますが。)

path_con1 …図1

最近は、必要な容量が小さくて済む省電力の製品が増えており、またセラミックコンデンサの容量が大きくなったりして、寿命が気になる電解コンデンサの代わりに大容量のセラミックコンデンサを使用する機会が増えてきました。

ある時、大容量のコンデンサとして、1608サイズ(1.6mm x 0.8mm)の10uFを、また小容量のほうも同じ1608サイズを使うつもりで、特性を調べたところ、図2のようなものが得られて考え込んでしまったことがあります。(赤:10uF、紫:0.1uF、青:0.01uF)

path_con2 …図2

0.1uFや0.01uFのグラフがちょこんと下に飛び出しているところが重要ということでしたら、並列に追加するのも意味があるのかもしれませんが、このような狭い範囲のインピーダンスを気にすることは通常無いので、図2を見る限り、10uFを1個でいいのではないのかと思います。あるいは、よりESLの小さい製品(1005等のより小さいサイズ、LWが逆の構造、3端子構造等)を追加するのが良いという考えもありますが、はんだ付けが面倒だったり、価格が高かったりするので、性能とコスト等のバランスを考えて選択することになるかと思います。

自己共振周波数(グラフの下側のピーク点の周波数)が回路の動作周波数より高くするべきというご意見もあるかもしれませんが、私は自己共振周波数の位置よりもインピーダンスの大小のほうが重要だと考えていますが、いかがでしょうか?

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